腰椎分離症について
腰椎分離症とは？
腰椎分離症とは、腰の骨（腰椎）の後方にある「椎弓（ついきゅう）」という部分が、スポーツや日常の繰り返しの動作によるストレスで疲労骨折を起こしてしまった状態です。特に10代の成長期に多く見られる疾患で、野球・サッカー・バスケットボール・体操・テニスなど、体を反らしたりひねったりする動作の多いスポーツをしている子どもたちに発症しやすいのが特徴です。
骨が分離した状態でも、初期であれば骨の自然修復が期待できますが、進行してしまうと骨が癒合せず「偽関節（ぎかんせつ）」となり、慢性的な腰痛や「腰椎すべり症」に進行する恐れがあります。そのため、早期発見と適切な対応がとても重要です。
このような症状はありませんか？
腰椎分離症には次のような症状が見られます。
- 腰を反らす、またはひねると痛みが強くなる
- 片側または両側の腰の奥に鋭い痛みを感じる
- 運動を休むと痛みが軽減するが、再開すると再び痛む
- 安静時は痛みが少ないが立ちっぱなしや座りっぱなしで
腰にだるさや重さを感じる - お尻や太ももにまで違和感が広がることもある
（坐骨神経に影響が出ている場合）
これらの症状がある場合は、腰椎分離症の疑いがあります。
放置せず、専門家による評価を受けることが大切です。
腰椎分離症の原因
腰椎分離症の主な原因は、腰椎への繰り返しの衝撃や過度の負担です。
特に次のような要素が重なるとリスクが高まります
- スポーツによる反復動作：ジャンプや腰の回旋動作が多い競技で発症しやすいです。
- 柔軟性不足：ハムストリングスや腸腰筋の硬さがあると、腰に負担がかかります。
- 体幹筋力の弱さ：体幹が不安定だと、腰椎に過剰な負荷が集中します。
- 急な運動強度の増加：急激な練習量の増加は、成長中の骨にダメージを与えやすくなり
ます。
当院の腰椎分離症への施術の特徴
腰椎分離症は早期対応が極めて重要です。
当院では患者さま一人ひとりの状態に合わせたきめ細やかなアプローチで、根本からの改善と再発防止を目指します。
丁寧なカウンセリングと姿勢・動作チェック
最初に、現在の症状、発症のきっかけ、日常生活やスポーツ活動の状況などを細かくお伺いします。
その上で、姿勢・歩行・動作のクセ、筋肉の緊張状態、関節の可動域などを丁寧にチェックし、腰に過度な負担がかかっている原因を特定します。
初診時に「なぜ痛むのか」「今どのような状態か」「どうすればよくなるか」を明確に説明することを大切にしています。
炎症期のケア（急性期対応）
腰椎分離症の初期では、炎症や痛みが強く出ることがあります。
この段階では「無理をさせない」「負担を減らす」ことが重要です。
-
アイシング・温冷療法で炎症を抑える
- 超音波療法やハイボルテージ電気治療で深部の組織の回復を促進
- 痛みのある部位への負荷軽減（テーピングやサポーターによる保護）
急性の痛みが強い場合には、一時的な安静や運動中止を指導することもあります。
筋肉・関節への手技療法
痛みにより緊張した筋肉や、動きの悪くなった関節を手技によって丁寧に緩めていきます。
- 腰部周囲（脊柱起立筋、腸腰筋、殿筋等）の筋緊張を緩和
- 骨盤や股関節の可動性を回復させ、腰への負担を分散
- 全身のバランスを整えることで、局所への負担を軽減
単に痛い部位を揉むだけではなく、全体の連動性を改善する視点でアプローチします。
運動療法・体幹トレーニング
腰椎分離症は、痛みが治まったあとも再発のリスクがあるため、体幹の安定性と柔軟性の回復が重要です。
- 腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルの強化
- ストレッチ（太もも裏〈ハムストリングス〉、腸腰筋、背部筋群）による柔軟性の改善
-
バランスボールや自重トレーニングを用いた体幹安定トレーニング
-
成長期の子どもには無理のない範囲での運動指導を徹底
また、各個人の競技種目に合わせたリハビリメニューを提案し、
日常動作や競技パフォーマンス向上にもつなげていきます。
姿勢・フォーム指導と日常生活の見直し
根本的な改善のためには、悪い動作や姿勢のクセを直すことが不可欠です。
- 学校や自宅での座り方・立ち方・歩き方の指導
- スポーツ中の腰を反らしすぎる動作の見直し
- トレーニング時のフォーム指導・重心の取り方のチェック
- 長時間の同一姿勢や、偏った体の使い方を防ぐ生活アドバイス
フォームが改善されることで、再発リスクの低下やパフォーマンス向上にもつながります。
スポーツ復帰へのサポートと段階的リハビリ
成長期の子どもにとって「運動を続けたい」「早く復帰したい」という気持ちはとても強いものです。
当院では、そうした気持ちに寄り添いながらも、安全なスポーツ復帰を第一に考えたプログラムを提供しています。
- 症状の回復段階に応じて、段階的な運動メニューを作成
- 競技特性に合わせた復帰プランニングと再発予防指導
- 練習への部分参加・全体参加のタイミング判断
- 医療機関との連携が必要な場合もサポート
（例：医師の診断書・画像診断結果の共有）
よくあるご質問
腰椎分離症は整骨院で治せますか？
初期段階であれば、適切な施術と運動指導によって、手術をせずに改善できるケースが
多いです。当院では医師との連携も視野に入れ、患者さまに最適な方法をご提案します。
スポーツを続けながら治療できますか？
状態によりますが、痛みが強い場合は一定期間の安静が必要です。
当院では、競技を続けるかどうかの判断も含めて、適切なアドバイスを行っています。
ひとりで悩まず、まずはご相談ください
腰椎分離症は、早期であれば十分に回復可能な疾患です。
しかし、対応が遅れると慢性化し、将来の腰痛や運動制限につながることもあります。
「腰の痛みが続く」「姿勢が気になる」「スポーツを続けたいけれど不安がある」
——そんな時こそ、整骨院にご相談ください。
当院では、患者さまお一人おひとりに寄り添い、痛みの改善だけでなく、その先の「健康な身体づくり」
までサポートいたします。
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